さて、今回は、「相続したくない」です。
2,3年前くらいからでしょうか。
相続したくないという事案に出くわすようになりました。
気のせいかもしれませんが、そういうケースが増えてきているような気がします。
相続はプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継ぎます。
したがって、マイナス財産(要は借金)を相続したくないというのは
普通の話としてわかります。
しかし、冒頭書いた相続したくないものは、プラス財産です。
それは何かというと、土地。
もっと性格に言うと山林や遊休農地。
確かに有効利用出来ないにもかかわらず、固定資産税という維持費も掛りますし、
ある程度の管理も必要です。
したがって、もう資産とは言えず事実上の債務となります。
そう考えると、確かに「相続したくない」という気持ちもわかりますし、
そうであるがゆえに相続をしないためのアドバイスもしてしまいます。
ただ、ふと思うのは、「こういうケースって多分少なくないよな」ということ。
もっと言えば、地方都市周辺地には多いのではないかという仮説。
こういった事情を抱える人にとっては、
「相続したくない」というのは正しいのでしょう。
そして、これからこういうケースはどんどん増えていくような気がします。
ただ、国土の保全という大きな視点からすると、
何か手を打っていかなければならない由々しき事態のような気もします。
私のような実務家が心配するテーマではありませんが・・・。
長野税理士法人
野路美徳